前節、FC東京に勝ちきり、宮本ガンバでは初の勝ち点3をつかんだが依然ガンバの順位は17位。浮上に向けて勝利だけを求めたガンバは立ち上がりから、札幌の変則的なサッカーに対して、まず失点しない戦いを選択する。
「相手は攻撃的なスタイル。そこに対してまずいい守備をする」(三浦)。前節と同じ布陣で挑んだガンバだったが13分、一美のチェイスで相手GKからボールを奪うと、高が無人のゴールにループ気味の一撃。最初に決定機を作り出すと、徐々に攻撃へのギアが上がって行く。
17分、遠藤とのパス交換で札幌のバイタルエリアを攻略すると倉田がエリア内で倒されPKをゲット。背番号10が冷静に決め、ガンバが4試合連続で先制に成功した。
ボールは札幌に握られたものの、割り切って中央を締めるガンバが迎えた後半は、改めてその試合運びが問われるものだった。
ハーフタイムには札幌の攻撃に対しての修正を施した宮本監督だが、サイドで数的不利を強いられる現状を見て、59分に米倉を投入。「前線に5人いるような状態で自由にボールを動かされていたので、そこに関して人を置くことで対応する」と指揮官は5バックに移行し、アデミウソンを1トップにスイッチ。リスク管理を施しながら、臨機応変にカウンターを繰り出す策に打って出た。
63分にはファビオの豪快なオーバーラップで札幌の守備陣を混乱させると、相手のキックミスを拾ったアデミウソンが決定機を得ながらシュートミス。試合展開に敏感な若き指揮官は、64分には遠藤に代えて髙江を投入。よりカウンター狙いをはっきりさせたものの、2点目が取りきれない。
67分にも一美が華麗なターンで前を向き、強烈な一撃を放つがゴールマウスはとらえない。
85分には復帰初戦となる藤春が中盤のサイドで起用され、そのスピードを生かしてあわよくば2点目を目指したガンバだったが終盤は東口がビッグセーブを連発。5分間と表示されたアディショナルタイムに、チームは割り切った戦いを見せていたが95分、アウェイでもゴールを許している都倉にクロスを合わされて試合は振り出しに。
宮本ガンバ初の連勝まであとわずかと迫りながらも、無念の引き分けに終わった。
「守りきるというところの勝負所をしっかりと締めるという部分は、もっと、もっと改善しないといけない」(宮本監督)。最下位に転落したものの10位磐田との勝ち点差はわずかに7。4日後に迫る仙台戦で、この日の教訓を生かすのみだ。