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2024.9.23[チーム]
[ WE ARE GAMBA OSAKA ]MF14 福田 湧矢
プライド。直訳すれば、誇り、自尊心。
プロサッカー選手の誰もが胸に宿すものとはいえ、
選手ごとにその抱き方も、考え方も大きく違う。
今シーズンのWE ARE GAMBA OSAKAは、
選手の心の奥底で沸々と煮えたぎる、
それぞれの、プライドを解き明かす。
ずっと、負けず嫌いな性格に支えられてきた。
「ピッチ内でもピッチ外でも、誰よりもサッカーに注いできたという自負があるからこそ、負けたくない」
近年はケガに苦しめられるシーズンが続いていたことも拍車をかけ、その体づくりや食生活は、一切の隙を感じないほどの徹底ぶりだ。
「僕自身はやらなくちゃ、って強迫観念にかられているわけではなく、自分をさらに良くするためにいろんなことにチャレンジするのが好きだからやっているだけ。それによる成長も実感できているし、これだけやってきたと思えることが自信やプライドにもなっています。でも1つのことに固執しすぎて周りが見えなくなってしまうのは良くないので。自分にはあってないなと思ったら、スッパリやめて次に向かうことも大事だと思っているし、信頼のおける周りの人たちの意見や言葉に耳を傾けることも忘れちゃいけないと思う。それが自分の助けになったり、成長を後押ししてくれるという経験をたくさんしてきたから」
今でも覚えているのは、プロ2年目の19年に宇佐美貴史に掛けられた言葉だ。練習中、憧れの人にもらったアドバイスは大きな気づきになった。
「当時の僕は、3-5-2のウイングバックで試合に出ることが多かったんですけど、正直、宇佐美くんが合流した時期は、慣れないポジションに少し行き詰まりを感じ始めていたんです。そしたら紅白戦で同じチームでプレーしていた宇佐美くんが『湧矢にはドリブルもあるやろうけど、ウイングバックはクロスを上げたら勝ちやぞ』みたいに言ってくれて。僕自身はドリブルで抜き切ってからクロスボールを挙げるのがベターだと思っていた中で『ああ、そうか。持ち味で勝負することばかり考えずに上げちゃえばいいのか』と思うようになり、すごく楽になった。それによってプレーの幅を見出せるようになったら逆に自分の持ち味が活きるシーンも増えたのをめちゃ覚えています」
その成功体験があるからだろう。今も周りのアドバイスには真摯に耳を傾ける。特にマインドの部分では、それによる新たな発見も多いそうだ。
「秋くん(倉田)や宇佐美くんら、経験のある選手の言葉から学ぶことが本当に多いです。最近も、宇佐美くんとお茶をしていた時に『毎日、食べる量もトレーニングの中身も違うんやから、体は1日1日違って当然。前日の感覚でプレーせずに、今日の自分の状態に合わせることを考えた方がいい』と言われて、マジで目から鱗でした。ここ最近は、ボールタッチ1つとってもケガをする前とは感覚が違うなって思うことも多くて。『なんでかな…』って考えることが多かったんです。でも『昨日の自分と違って当然』って思うようになったら、いろんなことがうまくいき出したというか。その日のコンディションに応じた自分のベストを見つけてプレーするうちに、めちゃめちゃいい感覚でプレーできるようになりました」
プライドを際立たせながらも、心は常に素直に、柔軟に。どこまでも理想のプレーを追い求めて。
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高村美砂●文 text by Takamura Misa
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