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2024.9.30[チーム]

[ WE ARE GAMBA OSAKA ]FW97 ウェルトン

プライド。直訳すれば、誇り、自尊心。
プロサッカー選手の誰もが胸に宿すものとはいえ、
選手ごとにその抱き方も、考え方も大きく違う。
今シーズンのWE ARE GAMBA OSAKAは、
選手の心の奥底で沸々と煮えたぎる、
それぞれの、プライドを解き明かす。

 今年に入りガンバ大阪からの正式なオファーが届いた時、自身のキャリアにとても大切なプレゼントを贈られたような、幸福感に満たされたという。
「いろんなクラブでのいろんなキャリア、出会いがあって今の自分があるからこそ、僕が歩んできた時間、過ごしたすべてのクラブに感謝の気持ちは持っています。ただ、僕にとっていつも一番大事なのは『今』です。プロサッカー選手として今、自分が背負っているガンバのエンブレムがプライドの全てで、だから、その時間に自分の全てを懸けて向き合っています。ガンバからいただいた大きなプレゼントへの感謝を忘れず、それに応えるプレーを続けたいと思います」
 そして、そのプライドはどんな時も変わらない温度で彼の中で息づいている。時間が経つほど深まりを見せているクラブへの愛着にも支えられて。
「いうまでもなく、この世界では勝つことも、負ける時もあります。すべての努力が勝利に結びつくとは限りません。ですが、勝っても負けても、自分のプレーが上手くいってもいかなくても、僕の中にあるプライドは決して色褪せません。これは僕自身が普段からサッカーをするにあたって、ネガティブなことを一切想像しないからというのもあるかもしれません。目の前で起きた事実に対して落ち込んだり、考え込む必要はなく、プレーが良くないと感じたなら、良くする努力をすればいいし、思うようにいかなければうまくいくように変化を求めればいい。サッカーに限らず、人生においても、思い通りにいかないことや、難しい状況に置かれることは誰にも当たり前にあることだと思っていますが、その状況を打開するのも、抜け出すのも自分に他なりません。しかも、チームスポーツである『サッカー』では、同じ志を持ち、共に進んでくれるたくさんの仲間、チームメイトがいます。そのことを心強く感じながら、僕自身もガンバというプライドを胸に前に進むことだけを考えたいと思います。」
 加えていうならば、ウェルトンが信頼を寄せる『仲間』にはスタジアムで背中を押してくれるたくさんのサポーターも含まれる。ホームゲームに限らず、アウェイの地にも足を運び、共に勝利を目指して戦ってくれる彼らの姿を見るたびに、自身の中で特別な感情が湧き上がるような感覚も覚えているそうだ。
「彼らはいつもスタジアムのボルテージを上げてくれます。たくさんのサポーターの後押しを受けながらプレーできるのもすごく心強いです。彼らの想いを感じ取っているからこそ、僕たちはいつも持ちうる100%以上の力をチームの勝利のために注ぐことを誓ってピッチに立っています。そんなふうにお互いが力を出し合い、1つになって戦い抜けば、僕たちはきっと笑顔で試合を終えられるはずです。そして、そうした1つ1つの積み重ねがいつか、より大きなタイトルという喜びにつながると信じています」
 彼がサイドで示す、迫力と強さを兼ね備えたドリブルも、いつもそうした決意に支えられ、J屈指の異彩を放っている。



高村美砂●文 text by Takamura Misa

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