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2024.10.21[チーム]
[ WE ARE GAMBA OSAKA ]DF3 半田 陸
プライド。直訳すれば、誇り、自尊心。
プロサッカー選手の誰もが胸に宿すものとはいえ、
選手ごとにその抱き方も、考え方も大きく違う。
今シーズンのWE ARE GAMBA OSAKAは、
選手の心の奥底で沸々と煮えたぎる、
それぞれの、プライドを解き明かす。
日の丸を背負う瞬間は、ガンバ大阪の一員であることのプライドをより強く実感する時でもあるという。昨年3月の日本代表選出の時も、今年7月のパリ五輪代表選出の時も、ピッチに立つことこそできなかったがメンバー表に並んだ選ばれし者たちの名前の中に記された「ガンバ大阪」の文字は、大きな責任と覚悟に変わった。
「尖った、変なプライドは必要ないと思っていますが、ガンバの名に恥じないように、その一員であることに自覚と責任を持って戦うというプライドは、自分を奮い立たせてくれる、すごく大事なものだと考えています」
もちろん、ガンバでプレーするにあたっても、そのプライドは、よりダイレクトに、目の前の試合に勝つことや強いチームになりたいという欲を促すものになっている。
「僕が小さい頃に見ていたガンバは、Jリーグを牽引する強さを示しながら毎年のように上位を争っていました。その中で抱いていた『常勝チーム』という漠然としたイメージは、チームの一員になって、その歴史に触れ、クラブの大きさを肌で感じ、たくさんのファン・サポーターの皆さんの声援を受けてプレーする中でより明確になった。強いチームになりたいという思いもより強くなっています。ただ、それは今日明日で実現するほど簡単ではない。チームの数人が、ではなく、選手、スタッフはもちろん、クラブに関わる全員がそれぞれの持ち場で毎日、そのために何ができるかを考えて行動し続けなければいけないし、全員が本当に強い気持ちで、目標に向かってコツコツと積み上げていかないと実現できない。そのちょっとずつ、ちょっとずつの積み上げをみんなで我慢強く求めた先に『タイトル』の喜びが待っているのかなと思います」
今年もその確かな積み上げを感じながら戦いを進めてきたという。
「今シーズンの後半戦もJ1リーグで9戦勝ちなしという苦しい時間が続きましたが、昨年とは違う雰囲気があったというか。口を開く選手も多かったし、紅白戦などでもお互いがしっかりコミュニケーションをとってきた。ピッチ外のところでも、試合の翌日に、みんなでお風呂に入りながら試合の話をするとか、ジムで『あの時はこういう方法があったかな』みたいな言葉が聞こえてくることも多かった。それはみんなが去年と同じじゃいけないという意識のもと、変化している証拠。北海道コンサドーレ札幌戦ではそれがようやく結果につながってホッとした部分もありますが、より高みを目指すためには残りの試合でもそうした小さな積み上げを継続しつつ、勝ちを求めていきたいです」
その札幌戦。途中出場でピッチに立った半田は、いつもとは逆、左サイドバックで途中出場し、決勝点に繋がるパスを前線に送り込む。
「絶対に何かが起きる、起こせると信じてピッチに立ち得点に繋がる仕事ができた。自分の気持ちがうまくプレーで出せたのかな、と思います」
さらに、直近の川崎フロンターレ戦でも相手の背後を取って右サイドを抜け出し先制点をアシストした。
いずれも、胸にあるプライドを示した一幕だった。
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高村美砂●文 text by Takamura Misa
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