［プレビュー］前年王者に問われる意地。攻守両面の一体感が横浜F・マリノス撃破の鍵に

前節、ジェバリのファインゴールで先手を取りながらも痛恨の逆転負けを喫し、今季初の4連敗を喫したガンバは最下位に転落した。新しいスタイルを作る上で今は試練の時期かもしれないが、戦列に復帰した福田が「今、ガンバは試されていると思うし、ここを皆で乗り越えられたらいい集団になれると思う」と話すように、チームが一丸となって苦境に挑むことが必要になる。

「この状況から目を背けないことと、泥臭く走る、簡単なミスはしないこと、そして決定力の4点を選手に伝えた」と、ポヤトス監督も浦和戦の反省点を受けてチームを修正し横浜F・マリノス戦に挑むが、「スタイルは変えない」と今季目指す戦い方で前年王者に真っ向勝負で挑むつもりだ。
一時帰国から合流したラヴィを含めて、顔ぶれの微修正は施されるが、ボールをつなぎながら相手ゴールに迫るスタイルは不変。ただ、横浜F・マリノス相手に問われるのは全員で攻め、全員で守るというチームの一体感になる。

「ボールを持ってしっかりと戦えば横浜F・マリノスも苦しむと思う」とポヤトス監督も話すが、一方で不可欠になるのは攻守の切り替え。特に今季の横浜F・マリノスは自陣でボールをつなぎ、相手を引き込んでからの擬似カウンターに鋭さを見せている。
「基本的には前から奪いに行くというところが自分たちのやり方」（ポヤトス監督）。ガンバから期限付き移籍中の一森が今節は出場できないだけに相手GKの顔ぶれも変化するが、相手のビルドアップを制限してショートカウンターを発動することもゴールへの近道になる。ただ、攻守の切り替えの速さと高い強度は90分間常に不可欠。快勝した川崎F戦のような戦いを、勝利を待ち侘びるサポーターの前で再現したい。

一方の横浜F・マリノスは現在2位だが、6戦無敗で迎えた前節の新潟戦は先手を取りながらも1対2で逆転負けを喫している。
守備の軸でもある角田が5月に負傷し全治3ヶ月。また19歳の山根はFIFA U-20ワールドカップに招集されて不在だが、やはり前線のヤンマテウス、アンデルソンロペス、エウベルのブラジル人3トップはリーグ屈指の破壊力を持っている。3人合わせた得点数は15点で、エウベルは6アシスト、マテウスは4アシストとチャンスメイクでも機能している。トップ下の西村や切り札の水沼も侮れない力を持っており、いかにガンバがチーム全体で組織的な守備を見せるかも勝利の鍵になるだろう。

「強い相手だけど、その相手にホームで勝ち切ったらガラッと流れが変わる。2014年も何かでガラッと変わった。とにかくガムシャラにやるしかない」と過去、苦しい時期を抜け出した経験を持つ東口は難敵との一戦をこう位置付けた。
泥臭くてもいい、僅差でもいい。今のガンバに必要なのは勝点3。ホームのサポーターの前で、チームが一つになって難敵を打ち破る。