「初めてパナスタのピッチに立った時には鳥肌が立ちました。サッカー専用スタジアム特有の雰囲気の良さにも後押しされて、サポーターの皆さんからはこれまでのサッカー人生で経験したことのない圧を感じたのを覚えています。以来、皆さんがいるゴール裏を背に試合を進める時はその声に背中を押され、逆に皆さんを視界に捉えながらプレーする時は、その情熱や束になって届けられる想いに力をもらっています。だからこそ、その声援に応えるために、また、ガンバのために全てを捧げると誓った僕の思いが皆さんに届くように、全力を尽くさなければいけないと思っています」
Jクラブへの所属はガンバで3クラブ目となる。母国で大学を卒業後、プロキャリアを切り拓いたのも日本で、10年はFC東京で、11年からは大宮アルディージャでそのキャリアを積み上げた。当時からガンバの攻撃サッカーには憧れがあり、今もそのスタイルが継続されていることが加入の決め手になったと言う。
「DFラインがビルドアップに参加しながら、緻密にボールをつなぎゴールに迫るサッカーは、僕にとって理想のスタイルでした。もっともそのスタイルを完成に近づけるには個々の能力をチームとしての連携にリンクさせながらも、状況に応じて変化させていく必要があり、今はまだそのサッカーを構築している最中です。ですが、宮本(恒靖)監督のもと、試合を重ねながらより強固な連携を築けるようになれば、確実にタイトルに近づいていけると信じています」
12年7月から6年半にわたって在籍した前所属の広州恒大では、その『タイトル』を何度も掴んできた。国内リーグでの6連覇をはじめ、AFCチャンピオンズリーグでも2度、アジアチャンピオンに輝いている。その経験をもとにタイトルに不可欠だと強調するのが『自信』だ。
「サッカーでは、どんなビッグクラブでもずっと勝ち続けることはできません。負けることもあれば、引き分けに終わることもあります。ですが、強いクラブには必ず、驕りや慢心とは違う『自分たちはやれるんだ』という揺るぎない自信が備わっています。だから、例え試合に負けている展開でも『絶対に逆転できる』という気持ちが揺らぐこともない。この自信は、名門クラブであるガンバにも必ず伝統として受け継がれているはずです。それを、いま一度、証明するためにも、僕たちは闘い、『タイトル』を獲らなければいけないと思っています」
4月末に戦ったJ1リーグ9節のベガルタ仙台戦。移籍後初ゴールを決めたヨングォンはユニフォームの左胸にあるエンブレムを両手で掴み、喜びを露わにした。その姿にも示されたガンバの一員として戦う責任と誇り。それがあるから彼は今日も魂を込めて、最終ラインで体を張る。「全てを捧げる」という誓いを胸に。
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次回掲載予定日:2019/5/27
Interview and text by Misa Takamura
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