NEWS

ニュース

2023.3.13[チーム]

[ WE ARE GAMBA OSAKA ]MF6 山本 理仁

今シーズンのWE ARE GAMBAOSAKAのテーマは『言葉』。
キャリアにおいて、サッカー人生を大きく動かした言葉や、
自分を突き動かすパワーワード、
今の自分につながる忘れられない体験に触れ、
独自のサッカー観を紐解く。

 プロ2年目を迎えていた20年。山本理仁は思うようにプレーできないもどかしさから抜け出せずにいた。東京ヴェルディアカデミー時代から常にチームの中心選手として絶対的な存在感を示していた彼が、初めて経験した挫折だった。
「3歳でサッカーを始めた時から、僕にとってのサッカーは人生の一部になり、遊ぶ暇もないくらいサッカー漬けの、サッカーのない生活が想像できないような毎日でした。もともとの性格は飽きっぽいのに(笑)、サッカーだけは最初からいろんなことがうまくできたし、周りから褒めてもらえることも多かったからか、飽きるどころか楽しくて仕方なかったです。ヴェルディのアカデミーに入ってからも同じで、常にチームの中心でプレーしながら毎日が本当に楽しかった」
 高校2年生時に飛び級で東京ヴェルディユースからトップチームに昇格した19年も6月頃からレギュラーに定着。その自信も胸に臨んだ2年目だったが時間が経つにつれ、目の前に大きな壁が立ちはだかった。
「それまで挫折というものを味わってこなかったというか、サッカーで思うようにプレーできない経験があまりなかったんです。なのに、1回ハマり出したら全てが悪循環というか、どうにも抜け出せず、練習に行きたくないと思ったのも初めてでした」
 当時は山本を追うようにトップチームに昇格してきた同世代の藤田譲瑠チマ(現横浜F・マリノス)が台頭し始めていた時期。それも自分の気持ちをざわつかせた。
「僕がハマっていた時期、譲瑠は逆にめちゃめちゃ調子が良くて。同じ歳なのに自分より譲瑠の方が使われているというプライドが邪魔をした時期もあったし、プレースタイルは全く違うのに譲瑠を真似ようとしたりもして、自分のプレーを見失っていきました」
 そんな彼に声を掛けたのが、当時の監督だった永井秀樹だった。
「理仁は笑ってサッカーをしている時が一番いいプレーをしているよな」
 アカデミー時代から指導を受けてきた恩師に投げかけられた一言は、山本をハッとさせた。
「考えてみたら、子供の頃から僕にとってのサッカーはずっと楽しいもので、足元を武器に相手の逆をとるとか、言い方は悪いですけど相手をおちょくるようなプレーを楽しんでやってきたし、そうやってプレーすることを楽しんでいた時が一番自分らしく戦えていたな、と。永井さんの言葉を聞いて、それを思い出しました」
 以来、その言葉は、常に自分のど真ん中に据えているという。もちろん、ガンバでの2シーズン目を迎えている今シーズンも、だ。
「ポヤトス監督のもとで取り組んでいるサッカーは、自分の得意とするプレーを出せるサッカーな気がするし、実際、去年のようにボールが自分の頭上を超えていくという感じはなくて、常にボールに絡みながらプレーできる。だからこそより自分の持ち味をしっかり発揮したいと思っています」
 今シーズン初先発となったルヴァンカップ・京都サンガF.C.戦では、その思いのもと持ち味である長短のパスを存分に発揮。攻守に輝きを見せた。
「前を向いてスペースがあれば間違いなく自分のプレーは出せる、J1クラブを相手にしても出来るっていうことを再確認できたし、自信がより高まった。もちろん守備のところだったり、強度の部分はまだまだ上げないといけないですけど自分の武器は十分通用するという感覚は得られた試合でした」
 そんな彼は今、ピッチの上でとても楽しそうだ。



Interview and text by Misa Takamura

Back Number