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2022.3.28[チーム]
[ WE ARE GAMBA OSAKA ]DF24 黒川 圭介
HEAT UP!!!
プロとしてサッカーに向き合う中で、
選手を熱くさせるものは何なのか。
何に彼らの気持ちは震えるのか。
何が、次に向かわせる原動力となるのか。
選手それぞれが抱く『熱』の正体を探る。
特別指定選手として初めてガンバのユニフォームを身にまとった2019年。ルヴァンカップ・ジュビロ磐田戦の先発メンバーに選ばれた黒川圭介は、ウォーミングアップのためにパナソニックスタジアム吹田に足を踏み入れた瞬間、全身に鳥肌が立ったという。大きな拍手、スタンドのあちこちから聞こえてくる声、スタンドに漂う熱気。どれもが、初めて体感する特別なものだった。
「ガンバへの加入が決まってスタンドから試合を見たことはあったし、サポーターの声援もその時に聞いていたんですけど、いざ自分がピッチに立ってみると全く違う感覚を覚えたというか。平日のルヴァンカップで満員とまではいかなかったですが、スタジアムの熱気がピッチに降り注ぐ感じというか…スタンドで感じていたのとは全く違う空気を感じてブワッと鳥肌が立った。もちろんガンバデビュー戦で特別な感情もあったとは思いますけど、なんて表現したらいいのか…とにかく『これがプロの世界か』と。この中で戦うんやと思ったら、自分の中に特別な力が湧き上がってくる感覚を覚えた。結果的に自分の持ち味を出せて、勝つこともできましたが、間違いなくスタジアムに漂う熱が背中を押してくれたと思っています」
もちろん、アマチュア時代も家族、友達、チームメイトら、いろんな人に支えられ、応援されてきた。特に関西大学時代は『仲間の応援』がチームの伝統でもあった中で「誰かに応援される心強さを何度も実感してきた」と言う。だが、プロサッカーの世界で初めて味わったそれは、過去に味わった応援とは一味違う熱として突き刺さった。
「応援してもらって嬉しい、幸せやなっていうのもあったし、それだけじゃなくて、お金を払って観にきてくれた人たちに自分がどんなプレーで応えるられるのか。何を魅せられるのか。それを問われている気がして背筋が伸びる気もしました」
その感覚は今も根強く、彼の中で息づいている。プロになってからはずっとコロナ禍にあるため、未だ声援が渦巻くピッチではプレーできていないが、今も毎試合、あの時の感情を呼び起こしてピッチに立っているそうだ。
「早くサポーターの皆さんの声援のもとでプレーしたいし、皆さんも早く声を張り上げたいはずで…実際に声が解禁されたらお互いにものすごい感情の爆発があるんじゃないかと思います。ただ、そうやって全力で戦ったあとは、やっぱり勝利で喜び合いたい。そう思うからこそカタさん(片野坂知宏監督)のもとでやっているサッカーを信じて、カタさんが繰り返している『練習でやっていることしか試合に出ない』という言葉を普段のトレーニングから意識して、戦い続けたいと思います」
スタジアムが『声』を取り戻した時、そのボルテージを最高潮に引き上げるためにも。
―
Interview and text by Misa Takamura
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