松田監督「引き分けでしたが、とにかく今のJ1残留という目標を達成できてホッとしています。本当は勝って文句なく残留を決めたかったところですけど、結果的に残留が決まったことは本当にありがたいことですし、これまで支えていただいたみなさんに感謝したいと思います。」

Q「試合の経過中に選手に他会場の状況は伝えていたのでしょうか。」
松田監督「最後の10分を過ぎてからですかね。ピッチの選手たちも気になっているところもありましたし、そのあたりから情報を少し伝えていたところはあります。」

Q「後半の試合展開は苦しかったと思いますが、監督はどういうことを考えていらっしゃいましたか。」
松田監督「あくまでも後半が始まってからはもう勝つことだけを考えて、勝てば自力で残留が決まるわけですから、それだけを考えて指揮を執っていました。アントラーズさんも早めにゴール前にどんどんボールを入れてくるという戦法を取ってきた中で、その圧力を跳ね返すのに多少リトリートしなければいけない状況は仕方なかったのかなと思います。我々はもちろん勝ちを狙って、そういう形の中でもカウンターのチャンスはありますし、それをモノにして勝てれば一番理想的でしたけど。あとは勝点1が入れば、最低プレーオフは保証されるので、今日すんなり（J1残留が）決まらなくても、苦労はするけども絶対に残留を勝ち取るためには自動降格だけは避けなければいけないという思いもありましたから、そのあたりのバランスの中で指揮を執っていたつもりです。」

Q「監督はシーズン途中から指揮を執られて、J1残留というミッションを達成されましたが、残留が決まった瞬間はどのようなお気持ちでしたか。」
松田監督「ホッとしたというところですね。私もガンバ大阪に来て3ヶ月ぐらいになりますけど、やっぱり絶対にJ1にいなければいけないチームという思いが日に日に強くなったことで、それは反面プレッシャーにもなるんですけども、そのミッションを絶対に達成しなければいけないなと。そのために何をしたらいいかということを一生懸命考えながらやってきましたから、ただただやっぱり嬉しいですし、ホッとしたというのが正直なところです。」

Q「最終戦も無失点で終わりましたけど、監督が就任されてから守備の安定が見られた中で、今日の守備というところには手応えを感じていらっしゃいますか。」
松田監督「結果的に無失点が続いているということに関しては、ゴール前の守備が非常に粘り強くなったなと。ボールは支配されても、ちょっと揺さぶられても失点まではしないというところは非常に良くなったところかなと思いますけども、もう少しゴールに近づけない守備だとか、あとは相対的なものなので、攻撃の方でもっとポゼッションの割合を増やすとか、攻め込む時間を多くすることで守備に追われることも少なくなりますし、そういうところをやっぱり高めていかないと、ずっとこういう形で無失点を続けることは非常に難しいかなと。やっぱり選手たちの絶対に残留したいという気持ちの強さがこういう状況も生んでいるのかなと。頑張って済むんだったら少しブロックを固めて、それで跳ね返すということを選択しながら戦っている時間もあったと思うんですけど、そういうことを労を厭わずにやってくれたということが良かったとも思いますし、そのあたりは本当に選手を誇りに思いますね。」

Q「あたらめて残留が決まった今ですけど、監督が就任されてからチームづくりや方向性を定める上で一番しんどかった時期はいつだったのでしょうか。」
松田監督「いつが一番しんどかったかというと、あんまりないですね。ずっと厳しい状況は続いていたし、勝ったら勝ったで他のチームも勝っていてあんまり状況は好転しないしとかで、そういう意味では0-3で鳥栖に負けた試合もありましたけど、特に内容がものすごく悪くて負けたわけでもなかったですし、内容が良くてもFC東京戦みたいに勝てなかった試合があったりとか、そういう状況だったので、内容を見ながらこれを続けてさえいけば、というところがあったので。あんまり結果には一喜一憂せずに、最後までこうなるなということは覚悟を決めながらやっていたというところですかね。だから、このミッションを引き受けたところから苦しかったのは苦しかったですけど、選手たちを見たときに、どこかで絶対に彼らはやってくれるんじゃないかなという気持ちも持っていたので、それを信じてやる分にはそんなに苦しまなくても済んだかなという気がしています。」

Q「14年ぶりにJ1で指揮を執られたというところで、監督もこのチャレンジに達成感があると思うんですけども、最後にサポーターからのコールを聞いたときの率直な心境を教えてください。」
松田監督「まさか自分がこのような立場にいま立っていることもまだ信じられない状況でもあるし、人生何が起こるかわからないなとつくづく思います。先ほども言いましたけど、オリジナル10であるガンバ大阪というビッグクラブをJ2に落としてはいけないという、そういうミッションを果たせたことが本当に本当に幸せ者だなと逆に思いました。『松田オレ』というコールをかけていただいた時も、こんなに良い思いをさせてもらっていいんだろうかと。実際苦しい時間もあったんですけど、どこかでものすごく楽しかったんですよ、この期間ずっと。ガンバのクラブハウスに通うことがすごく毎日嬉しくてしょうがないというところもあったので。ただただ本当に周りの支えていただいた方々や選手に感謝したいという気持ちです。」