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2023.7.10[チーム]

[ WE ARE GAMBA OSAKA ]DF2 福岡 将太

今シーズンのWE ARE GAMBAOSAKAのテーマは『言葉』。
キャリアにおいて、サッカー人生を大きく動かした言葉や、
自分を突き動かすパワーワード、
今の自分につながる忘れられない体験に触れ、
独自のサッカー観を紐解く。

「努力に勝る天才はなし」

 小学生時代の恩師に言われた言葉を、ずっと大切にしてきた。

「当時、毎日のようにこの言葉を掛けられていたのを覚えています。サッカーに限らず、何を目標にするにしても努力しないと実現できないよ、と。いつしかそれは自分の言葉になり、プロになった今も、変わらずに自分を支えてくれています」

 もう1つ。福岡が心掛けたのは、目標ができたら必ずそれを言葉に変えること。母親に教えてもらった『言霊』を信じているからだ。

「実践学園高校時代も入学した時にお母さんと『必ず全国に行くから』と約束して、実現したし『将来はプロになる』と言い続けて道が拓けた。ガンバに加入した時に日本代表が目標だと宣言したのも、その思いから。J2やJ3リーグでしかプレーしていなかったのにいきなり日本代表!? と思った人もいたかも知れないけど、そこに絶対に近づいてやるという決意を示したかった」

 遡れば、ガンバへの加入を決めたのも「努力に勝る天才はなし」という言葉が胸にあったから。同じポジションに代表クラスの選手が揃う中で、簡単にポジションを掴めないことは覚悟していた。だが、自分に足りていないものを吸収し成長を求めるのは、必要な努力だと考えた。

「ガンバに来て改めて自分に足りないものをめちゃめちゃ突きつけられています。守備の強度は去年からの課題だし、試合に出ている今も技術や判断、メンタル、視野、対人などもっとレベルアップしたいって思うことだらけ。いい選手が揃うDFラインで、1つのミスで信頼を失う、ポジションを失うかもしれないという危機感もあります。実際、チームが勝ったとしても自分のプレーへの物足りなさというか…体は完全燃焼しているのに、気持ちは不完全燃焼みたいな試合が多くて、回復トレーニングの日もついスパイクを履いてボールを蹴っちゃいます。でも、こんな気持ちにさせてもらったのもガンバの一員にしてもらえたから。その恩をプレーで返せるようにもっともっと努力して、細かく自分を分析して、より信頼されるセンターバックになりたい」

 プレーに限らず、センターバックはチームをいかにまとめられるかも大事な仕事だと言葉を続ける。

「DFはフィールドの中でチーム全体が見えるポジション。だからこそプレーのことに限らず、個々の背中がどう映っているのか、それを伝えて奮起を促したり、自信を持たせるのも役割。それがチームを強い集団に押し上げる秘訣の1つだと思っています」

 何かを発言すること、誰かに何かを伝えることは決して簡単ではない。個々のプライドも際立つプロの世界においては尚更だろう。でもだからこそ「そこには思いや感情が乗る」と福岡はいう。それが言霊になってチームを強くする、と。

「今はチームのためにみんなが自分を曝け出し、言葉や行動に移せているし、その思いがボールに乗っている。だから1つの球際、競り合いでボールがこっちに転ぶようになってきたんだと思います。ただまだまだ足りない。順位を上げるためにもより兜の緒を締めて戦わないといけないと思っています」
 そのために「後ろは絶対に失点しない」と言い切った。



Interview and text by Misa Takamura

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