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2024.4.22[チーム]
[ WE ARE GAMBA OSAKA ]MF23 ダワン
プライド。直訳すれば、誇り、自尊心。
プロサッカー選手の誰もが胸に宿すものとはいえ、
選手ごとにその抱き方も、考え方も大きく違う。
今シーズンのWE ARE GAMBA OSAKAは、
選手の心の奥底で沸々と煮えたぎる、
それぞれの、プライドを解き明かす。
いい時も、悪い時も真摯にサッカーに向き合うこと。それがダワンにとってのプライドだ。
「ブドウの木を植えてリンゴはならないし、バナナの木を植えてイチゴはできません。だからこそサッカーで結果を出したいと思うのなら、自分がどういう状況に置かれたとしても、ひたすらサッカーに向き合うべきだと考えています。その継続が試合での結果や、目標の実現に自分やチームを近づける唯一の方法だから」
両親の教えが源になっているという。
「正しいと思うことをしなさい」
「自分が間違っていると感じたら必ず修正して正しい道に向かう努力をしなさい」
幼少の頃からのその教えを人生の指針に据え、常に自分がその時々で描く目標や夢に向かって、正しいと思う道を選んできた。もちろん、努力を惜しまずに、だ。
「例えば僕の持ち味の一つである空中戦の強さは流れに身を任せて自然と育まれたわけではありません。そのプレーを自分の強みだと言えるように、日々、ジャンプ系を鍛えるメニューや、いいポジショニングを取るトレーニングに向き合ってきたし、今も続けています。つまり努力なくして実りはないからこそ、僕は自分がやりたいと思うプレーをするためにこれからも真摯にサッカーと向き合い、妥協することなく必要な努力を続けていきたいと思っています」
もっとも「僕も人間だから、時に間違った選択をしてしまうこともある」とダワン。どれだけトレーニングを積み重ねても、ミスをすることだってあるだろう。だが、それも含めて自分だと受け入れている。
「生きていれば、自分がコントロールできないことに直面することもあります。いつもいつも自分が思うプレーをピッチで表現できるとは限りません。いい準備をしていてもピッチに立つチャンスをもらえないこともあります。ですが、それらは僕の日々の積み重ねを否定するものではありません。僕がチャンスをもらえなかった時は、素直に他の選手がそのチャンスを活かしてくれたらいいとも思います。誰かを妬んだり、責任転嫁をするのは簡単ですが、自分のサッカーは『自分自身』です。だからこそ、常に自分と向き合って努力を続けようと思っています」
ガンバ大阪に流れるプライドを継承しながら。
「以前、僕はDVDでヒガシ(東口順昭)や秋(倉田)、貴史(宇佐美)らが出場していた14年のルヴァンカップ決勝の試合を観ました。あの時ガンバは早い時間帯に2点のリードを奪われながら逆転優勝を決めました。決勝という舞台で、2点差の試合を引き分けに持っていくだけでもすごいことなのに、です。あの時、画面越しに見るガンバの選手たちは2点リードされても誰一人として諦めていなかったし、追いつけたことにも満足していなかった。それが逆転ゴールに繋がったと思っています。そういう諦めない気持ちが、このクラブの歴史に宿るプライドの1つだと感じているからこそ、僕もそれをしっかり継承し、勝利のために闘い続けます」
90+9分に逆転ゴールを奪い、勝利を掴み取った直近のJ1リーグ第8節・サガン鳥栖戦も、全員で攻守に体を張り、勝点3を積み上げた第9節・浦和レッズ戦も、まさにその言葉を体現した一戦。ダワンは2試合ともフル出場で戦い抜いた。
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高村美砂●文 text by Takamura Misa
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