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2026.8.21[U-21]
[ガンバの未来] ①ガンバ大阪がU-21 Jリーグに参戦した狙いとは。
<第一章>未来を描く。
2026/27シーズンに発足が決まったU-21 Jリーグ。今シーズンは全11クラブが参戦する同リーグにガンバ大阪も名乗りを上げた。育成型クラブとして新たな可能性を見出していくことが目的だ。第1章ではU-21 ガンバ大阪が描く未来図に触れる。
昨年5月、Jリーグは2026/27シーズンからの『U-21 Jリーグ』の創設を発表した。プロ選手としての可能性を高めるのに重要な期間である19〜21歳の選手に年間を通して「観られている状況での真剣勝負」ができるプレー環境を確保し、日本サッカー全体の可能性を最大化することなどが主な目的だ。今シーズンは東西2リーグ制で、計11クラブが参加する。
それを受け、ガンバ大阪も『U-21 ガンバ大阪』として同リーグへの参加を表明。まずはWESTリーグで、名古屋グランパス、ヴィッセル神戸、ファジアーノ岡山、V・ファーレン長崎のU-21チームとしのぎを削る。水谷尚人代表取締役社長が参加の意義を言葉に変える。
「僕がJリーグのカテゴリーダイレクターを務めていた2023〜24年頃から、同リーグ発足の話が持ち上がっていて、僕自身も若い世代が公式戦での経験を積む必要性を感じていたことから、U-21 Jリーグ創設にはすぐに気持ちが動きました。ガンバはJリーグ発足時から育成型クラブとしての歴史を積み上げてきました。また2016〜20年までガンバ大阪U-23としてJ3リーグに参戦し、そこを巣立った選手が今もJリーグや日本代表で活躍しています。そうした経験を踏まえ、選手育成には理想的な環境だと考えました。ただし、今リーグがJリーグの試合と同じように緊張感を保てる形で行われないと、練習試合と大差ないよね、ということになってしまう。そこは参戦に際してJリーグにもお伝えしましたし、クラブ内でも運営サイドを含めて共有しています。ファン・サポーターの皆さまにも我々の思いをご理解いただいてぜひスタジアムに足を運んでいただき、Jリーグがいうところの『観られている状況』づくりにお力を貸していただけると嬉しいです(水谷)」
参戦するクラブごとに、チーム運営の考え方は様々だが、U-21 ガンバは基本的にトップチームと線引きすることなく日々のトレーニングを行い、試合ごとに出場メンバーを決定する。三上大勝フットボール本部長によればU-21 Jリーグの試合数がそこまで多くはないことや「過去にガンバU-23として戦っていた時代のメリット、デメリットをもう一度洗い出してクラブとしての方向性を決めた」という。U-21 Jリーグ参戦によってクラブスタッフの経験値や仕事の幅を広げたいという考えもあるそうだ。
「ガンバU-23時代はその時々のトップチームの監督の意向をもとに運営していましたが、U-21 ガンバに関してはクラブ主導で『21歳以下の若い選手を育てるために何がベストか』をいろんな角度から検討し、方向性を決めました。結果、若い選手を意識高くプレーできる環境に置きながら試合経験を積ませていく方が成長を促せるだろうと考え全選手が『ワンチーム』でシーズンを戦い、週末の試合に合わせて、ユースの選手を含めてメンバーを選考します。それに合わせてトレーナー等の人数も増やしました。ただ、若い選手にはハングリー精神も養ってほしいとの考えから、敢えて厳しい環境を作り出すことも必要だと思っていますので、意図的にハングリーさを培える環境もミックスさせて選手を育てていこうと思っています(三上)」
U-21 ガンバの指揮官には長きにわたってガンバアカデミーで指導者キャリアを積んできた町中大輔監督が就任。明神智和トップチーム監督の意向をもとに、かつ横谷繁ユースチーム監督と連携を図りながら指揮を執る。またクラブとしてもトップチームとアカデミーがより縦の連携を強めながらスムーズに運営を行うため、町中、横谷両監督をはじめ、三上フットボール本部長や登尾顕徳強化担当、星原隆昭アカデミーダイレクターや足髙裕司アカデミーサブダイレクターの6人で月に1度は定例会議を行う予定だ。
「ユースチームのプレミアリーグやいくつかの主要大会も、クラブとしては大事に考えています。だからこそ、ユースとU-21 Jリーグの試合が重なった時にどちらを優先するのかについては、クラブ内のフットボール委員会でもいろんな議論を続けてきました。結果、基本的に我々の使命は第一にトップチームから逆算して選手を成長させることにあるという観点から、能力のある選手はどんどん上のカテゴリーに引き上げて試合経験を積ませましょう、ということをクラブ方針として決定しました。Jクラブだからこその育成体制を最大限に活かすためにもです(三上)」
その中では、将来を見据えた青写真も描いている。U-21 ガンバからいずれは、かつてガンバU-23で活躍し、ガンバの主軸選手へと成長した食野亮太郎をはじめ、日本代表として先の北中米ワールドカップにも出場した堂安律や中村敬斗らのような選手を輩出するためにも、だ。
「今のところは、ジュニアユースの選手をU-21 Jリーグの試合に出場させる考えはありません。ただ、クラブとして選手を上に、上にと引き上げていく環境づくりを目指す中では、ジュニアユースの選手がユースの試合に出場することも当然あり得ます。いずれはジュニアユースの選手がU-21 ガンバでプレーするような未来になっていけば、クラブとしても選手にとっても、理想の形だと思っています(三上)」
また、そのためにもクラブとして『ガンバらしさ』を明確にしながら、選手を育成していきたいという考えもある。
「正直、現時点ではトップチームとアカデミーの『ガンバらしさ』には乖離があると言わざるを得ません。トップチームが特別シーズンから敷いてきたサッカーが、アカデミーでも展開されているのかといえばそうではない。ただ、クラブとしてはアカデミーが大切にしてきた『技術』も大事な要素だと考えているからこそ今後は、その部分にトップチームで求められるインテンシティの高さ、厳しさをどれだけ付け加えていけるか、だと思っています。それについては今日、明日で定着させられるものではないからこそ、U-21 Jリーグをうまく活用しながら、3年後くらいを目処に、アカデミーからトップチームまでの『ガンバらしさ』が一体感のあるものになっていけばいいなと描いています(三上)」
U-21 ガンバの発足によって緊張感のある公式戦での出場経験を掴んだ若い選手がいかに成長スピードを上げながら、未来を切り拓いていくのか。『育成型クラブ』としての更なる成長を意識したU-21 Jリーグでの戦いが幕を開ける。
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高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
【次回に続く】
第一章 ②U-21 ガンバの現場から。新指揮官はいかに選手の成長を促していくのか
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