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2025.9.18[チーム]
[ WE ARE GAMBA OSAKA 2025 ]MF27 美藤 倫
昨年の戦いを通して、チームのキーワードになった『熱量』。
それらを漲らせた戦いの数々は、勝ちへの執着として表現され、スタジアムの熱狂を生んだ。
今シーズンのWE ARE GAMBA OSAKAは、その『熱量』の裏で、選手それぞれが宿すスピリットにスポットをあてる。彼らの魂は、熱意、勇気、決意は、どんな力を今シーズンのチームに与えてくれるのだろうか。
プレーからも漏れ伝わってくる『負けたくない』というマインドが、美藤倫のスピリットだ。本人によれば、サッカーを始める以前から備わっていた感情だという。
「保育園の頃から負けず嫌いの度を超えていました(笑)。遊んでいてもうまくいかないことがあったら周りにあたるとか、言っちゃいけない言葉を口にするとか。たとえ遊びでも自分が勝てないと感情が爆発して大声で泣き喚く、みたいな。協調性も全くなく、友達もぜんぜんできなかった。僕自身も誰かと群れるのが嫌いでいつも一人で砂場で穴を掘っていました(笑)」
その姿を見かねた両親に提案されたのが『サッカー』だったという。チームスポーツをすれば協調性が育まれると考えたのかもしれない。だが、それも最初はうまくハマらなかった。
「正直、中学生時代までは単なるガキ大将で、サッカーをすることで協調性が芽生えたとは言い難かったと思います。サッカーでのバトルから喧嘩に発展することもありました。プレーすることで体内のエネルギーは発散できるようになった気がしたけど、それが良くない方向に出てしまうことも多かった」
京都サンガF.C.ジュニアユースに加入し「自分より巧い選手はたくさんいる」という現実を知ったことで芽生えた自身への物足りなさも、ジレンマに繋がっていたという。だが、そこでユースチームに昇格できないという挫折を味わい、東海大学付属大阪仰星高校に進学したことが『変化』のきっかけになった。
「上には上がいると現実を突きつけられたことで、より負けたくないという気持ちが強くなったし、サッカーができる自分をなんとしても確立させたいという思いも芽生えた気がします。あとは高校に行って、本当にいい仲間に出会えたのも、僕にとっては大きな財産でした。それまでは周りにイジられることもなかったのに、みんなにイジられ、僕もイジって、ということができる仲間ができたことは『チームの中での自分』を意識することにも繋がりました。思えば『部活動』という環境も良かったのかも。中学まではJクラブのアカデミーということもあって個人にフォーカスする環境で育ったけど、高校の『部活動』で普段の生活もサッカーも常に一緒という環境に身を置き、厳しい練習をみんなで乗り越えていくうちに、自分のプレー以上に、チームのために何ができるのかを考えてプレーすることが増えた。ただ何にせよ『負けたくない』という気持ちがなくなることはなかったけど」
今もそうだ。プロキャリアを歩き始めてからもピッチに立つたびに自分を救ってくれるのは、そのスピリットだという。
「僕はメンタルが強くないので。試合前は不安にもなるし、機嫌も悪くなるし、そんな自分が嫌だったりもするんですけど、それも自分だから。いろんな葛藤も、最後は『やるしかない』『負けたくないんだろ?』『目の前の相手に勝てばいいだけやろ』と自分に問いかけて終わる、みたいな。それが一歩、足を前に出すことや、思い切って体を張ることに繋がっている。それに今年、少し長めの離脱をして改めて思いましたけど、やっぱりサッカーをピッチで思う存分できるのって楽しいし幸せだから。悔しいとか、あーうまくいかねーとかあるけど、その感情もピッチに立つから味わえると知って、より怖いものはなくなった。いや、メンタルは弱いから怖いものはあるけど(笑)、でもビビることはないです。『グイグイいったる』と常々思ってます」
J1リーグ第28節・湘南ベルマーレ戦で奪ったプロ初ゴールも、まさに、その美藤の『グイグイ』が表現されたシーン。らしく、戦い抜くことで見出した結果だった。
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高村美砂●文 text by Takamura Misa
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