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2023.8.14[チーム]

[ WE ARE GAMBA OSAKA ]MF23 ダワン

今シーズンのWE ARE GAMBAOSAKAのテーマは『言葉』。
キャリアにおいて、サッカー人生を大きく動かした言葉や、
自分を突き動かすパワーワード、
今の自分につながる忘れられない体験に触れ、
独自のサッカー観を紐解く。

 子供の頃、祖父を通してサッカーを知り、プレーすることを覚え、プロサッカー選手になることを夢見たダワンは当時、その祖父に投げかけられた言葉を生涯の宝物としてキャリアを歩んできた。
「もしお前が将来、サッカーの世界で生きたい、サッカーを仕事にしたい、プロサッカー選手を目指したいと考えているなら、その夢を絶対に諦めるな。周りに何を言われても、どんな困難に直面しても、やるべき努力を続け、ひたすら夢に向かって突き進め」
 もちろん、興味を惹かれることはたくさんあった。遊び、プール、海水浴…。休みには友達や従兄弟と連れ立って出掛けた思い出もある。だがサッカーに勝るものはなかった。
「どこに行くにも、何をするにも常にサッカーボールを持っていました。海でもボールを蹴ったし、かくれんぼの後にはミニゲームをしました」
 毎年、訪れる誕生日にも祖父母には決まってサッカーボールをねだったという。
「誕生日に何が欲しい? と聞かれたら、必ずサッカーボールと答えていました。『すでにボールは2つ持っているんだから、今回はラジコンにしたらどうだ? と言われてもボールがいいと言って譲らなかった。そのくらい頭の中はサッカー一色でした」
 まっすぐに向けられたサッカーへの熱は自身を磨き続けることに繋がり、ひいてはプロキャリアを切り拓いたが、祖父とは今も変わらず連絡を取り合い、アドバイスをもらっていると聞く。そして、その時間もまたダワンの成長への欲を促している。
「おじいちゃんは今も試合前後に連絡をくれて『お前ならあのシーンでもっといいプレーができたはずだよ』『このプレーを改善すればもっと輝けるんじゃないか』と指摘してくれます。その度に僕自身も、まだまだ自分は夢を叶えられていない。もっと努力をしなければダメだという気持ちにさせられます。僕に限らず人間には感情があって、大好きな仕事をしていても、常にやる気満々で向き合えるわけではありません。時には落ち込みますし、気分が乗らない日もあります。でもそんな時におじいちゃんの言葉を思い出せば今日より明日、さらに強い自分でいよう、前を向いて戦い続けなければいけないという気持ちにさせられます』
 シーズン序盤、勝てない時間が長く続いた時も、慣れないインテリオールというポジションへのチャンレジに頭を悩ませた日々も。祖父の言葉を思い出し、自分を奮い立たせ、変化を求めたという。
「勝てなかったり、思うようにプレーできない状況が続くと、コンディションは悪くなくても気持ちに『怖さ』が芽生え、それが自分の体にブロックをかけ、足を重くしてしまう。だからこそ自分にブレーキをかけないメンタルを作り出すこと、戦える頭の状態にしておくことが、常に自分の理想のサッカーをすることにつながると考えています」
 自分ならもっといいプレーができる。チームの力になれる。そして、何があっても諦めない。加入した日から「僕はこのクラブと長い時間を共にするだろうと直感的に感じた」と振り返るガンバへの愛情と、応援されることへの責任を結果で示すために。



Interview and text by Misa Takamura

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