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2023.10.16[チーム]

[ WE ARE GAMBA OSAKA ]MF14 福田 湧矢

今シーズンのWE ARE GAMBAOSAKAのテーマは『言葉』。
キャリアにおいて、サッカー人生を大きく動かした言葉や、
自分を突き動かすパワーワード、
今の自分につながる忘れられない体験に触れ、
独自のサッカー観を紐解く。

 その言葉に力をもらい、戦う勇気に変えて、キャリアを進んできた。
「謙虚に、ひたむきに」
 苦境に立たされた時はもちろんのこと、調子がいい時ほど、繰り返し、リマインドしてきたという。
「どんな状況に陥ってもやっぱり僕は、サッカーが好きだし、ガンバが好きだから。それに、めちゃ諦めが悪いので。成長することとか、サッカー選手としての自分を諦められない。だからこそ、常に謙虚に、ひたむきに現状と向き合い、その時々の自分を超えてやると思ってチャレンジを続けてきました」
 初めてその言葉に触れたのは、中学生のとき。地元の街クラブ、小倉南フットボールクラブの野口英昭監督にサッカーが巧くなりたいなら、夢を叶えたいならと投げ掛けられた。正直、当時は今ひとつピンときていなかったそうだが、高校時代にその言葉の大切さを肌身で実感するようになり、プロになってからは自分を成長させ続けるための言葉として心に据えるようになった。偶然にも、キャリアの節目で出会った指導者に同じことを言われたのも、その言葉を大切にしている理由だ。
「ガンバ大阪U-23時代の森下仁志監督や宮原裕司コーチにも同じ言葉を言われたことがあって、やっぱり自分には必要なことなんだな、と。特にU-23時代はサッカー人生で一番、苦しい時間を過ごしましたけど、その言葉のおかげで初心に立ち返り、もっとやらなきゃいけない、自分ならもっとやれる、という気持ちにさせられましたし、這い上がれたと思っています」
 今シーズンもそうだ。一昨年、昨年とは違う難しさに直面している中でも、サッカーと、自分と向き合うことから逃げなければ「いつかこの悔しさを味わって良かったと思える日が来ると信じている」と福田はいう。だからこそ、日々を無駄にせず、必要だと思うことを「やり尽くす」ことに全てを注ぐ。
「プロになっていろんな経験をしてきた中で、3年目くらいから改めて『サッカーはいい時も悪い時もある。悪い時に何ができるかがすごく大事だ』と考えるようになったんです。それが成長に必ず繋がるな、と。でも昨年、一昨年は長期離脱をしてしまい…それが自分をリセットする時間にはなったけど、悪い時に何ができるか、ということを本当の意味では味わえなかった。それに対して今シーズンは、短い離脱はありましたが、ほぼピッチに立てていますから。プレーしながら壁にぶつかって、考えて乗り越えて、ということにトライできているのはポジティブなことだと受け止めています。もちろん、プロである以上、公式戦で結果を残せなければ評価されないことは理解しているし、今の自分にも全く納得はできていません。でも結局、やり続ける先にしか道は拓けないので。やれることは全部、やり尽くして『今週も誰よりもいろんなことに取り組んだし、誰よりも自分と向き合ったから大丈夫』だと自分に言い聞かせて、今シーズンも最後までガンバの勝利のために戦い続けます」
 謙虚に、ひたむきに、自分を信じて。



Interview and text by Misa Takamura

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