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2024.7.1[チーム]
[ WE ARE GAMBA OSAKA ]MF6 ネタ ラヴィ
プライド。直訳すれば、誇り、自尊心。
プロサッカー選手の誰もが胸に宿すものとはいえ、
選手ごとにその抱き方も、考え方も大きく違う。
今シーズンのWE ARE GAMBA OSAKAは、
選手の心の奥底で沸々と煮えたぎる、
それぞれの、プライドを解き明かす。
マッカビ・ハイファFCのユースチームに所属していた時代から、自身の中で少しずつ形作られてきた『プライド』は、プロキャリアを歩むにつれ、また年齢を重ねるにつれて、確固たる自信として備わるようになった。
「僕にとってのプライドとは、自分が持っている個性、プレーのクオリティをしっかりと表現するための軸のようなもの。自分は『こうありたいんだ』と思う局面では必ず背中を押してくれますし、勇気をくれます。ただ、それはあくまで自分の中だけで燃やし続ければいいもの。他者の人間性を制したり、侵害することはあってはならないと思っています」
だから、それを誇示するようなことはしない。自分の中に持ち合わせてさえいれば、プレーによって表現できると考えているからだ。
「これまでのキャリアを振り返るとき、プライドが自分の流れを変えてくれた、あるいは、そのおかげで成長できたという局面がきっとあったと思います。今の自分の姿があるのも間違いなく、そのプライドのおかげだと言えるでしょう。ただ、それがいつ、どんな局面で際立ったのか、具体的に挙げるのは難しいというのが正直なところです。裏を返せば、そのくらい自分の中に自然に宿っていて、それが試合のさまざまな勝負の局面で、あるいは自分がプレーヤーとしての成長を求める際に、自分を助けてくれたということだと思います。だからこそ、これからもそのプライドを自分の中にしっかりと持って、信じた道を進み、行動していきたいと考えています」
もっとも、それは常に『勝敗』とは切り離しておくべきだとラヴィはいう。
「サッカーの世界では常にいい時ばかりではなく、勝つ時もあれば負ける時もあります。同じようにトレーニングと向き合っていても結果が出る事ばかりではありません。ですが、そういった喜怒哀楽とプライドを一緒に考えるべきではありません。うまくいかない事実によって自分を否定すべきではないし、逆にうまくいったことに対して調子に乗るべきでもない。結果を真摯に、淡々と受け入れた上で、変わらずに前を向ける自分でありたいと思います」
今シーズン、自身が置かれている状況や試合結果に揺り動かされることなく、一定の温度で真摯にサッカーと向き合い続けてきたのも、その考えがあればこそ。自身に宿るプライドはいつだって彼を支え、強くする。
「プロサッカーの世界は、とても面白くできていて、どのチームも永遠に勝ち続けるのは不可能です。つまりは、負け続けることもありません。そのことを理解していれば、どんな状況に陥っても怖気づくようなことはなく、僕は僕であり続けることができます。勝っても負けても、その都度、何が足りなかったのかを反省して、巧くなるための練習を重ねる。常に現状に満足することなく、成長したいと思う課題に取り組んで自分をブラッシュアップしていく。それを続けられる人間しか、この世界に生き残ることはできないはずだから」
それが、ネタ ラヴィだ。
―
高村美砂●文 text by Takamura Misa
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