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2024.7.15[チーム]
[ WE ARE GAMBA OSAKA ]DF24 江川 湧清
プライド。直訳すれば、誇り、自尊心。
プロサッカー選手の誰もが胸に宿すものとはいえ、
選手ごとにその抱き方も、考え方も大きく違う。
今シーズンのWE ARE GAMBA OSAKAは、
選手の心の奥底で沸々と煮えたぎる、
それぞれの、プライドを解き明かす。
どういう状況に置かれても、逃げずに向き合い、常に高みを目指す。その自分を支えているマインドがプライドなんじゃないか、と江川湧清は言う。
「この仕事はいい時ばかりではない中で、心を折らずに戦ってこれたのは、プロサッカー選手としての責任感があってこそ。その責任があるからどんな時も結果を残さなければいけない、もっと上を目指そうという気持ちになれるんだと思います」
プロ1年目に2度目の右前十字靭帯断裂という大ケガを負った経験も、そのプライドを強くするきっかけになった。
「高校3年生とプロ1年目に2年続けて同じケガをして、苦しい時間を過ごしたんですけど、その経験があったから、この先何をしていかなくちゃいけないのか、など自分を見つめ直すことができた。昨年、右膝の軟骨損傷の手術をして再び長期離脱を強いられた時にネガティブになることがなかったのもその経験があったから。むしろ『足りないところがあるからケガをした』と素直に受け入れ、自分が成長するための時間にしようと考えました」
リハビリ期間はジムでトレーニングをすることが多かったが、そこで目の当たりにしたいろんな選手の『戦い』も、復帰後の体づくりに大いに役立ったそうだ。
「どの選手が、何曜日にジムに来てどんな準備をしているのか、とか『この選手はこうやって試合前の体を作るんだな』というのを、それまでとは違う角度から見ることができて、参考になることがたくさんあった。そのおかげで『このタイミングで筋トレをして、この日は体を休めて調整しよう』というような試合までの過ごし方を見直せたし、そのちょっとしたルーティンによって体も気持ちも落ち着いて試合を迎えられているような感覚もあります」
実際、J1リーグ第21節・FC町田ゼルビア戦で先発のチャンスが巡ってきた時も、いい意味で肩の力を抜いて試合に向かうことができたという。
「復帰戦になった4月のルヴァンカップ・FC琉球戦は、半年以上ぶりの公式戦でまだまだ取り戻さなきゃいけないことがたくさんあるなって感じた試合でした。でもその一方で、90分を戦えたことでコンディションがグッと上がるような感覚もあった。実際、全体練習に合流してからなかなかあと一歩が出ないような感覚が続いていたけど、琉球戦を機に練習でもその一歩を出せることが増えていたし、だから、町田戦も落ち着いて入れたんだと思う。試合中の厳しい局面で足が出る感覚を得られたのも収穫でした」
それをホーム、パナソニックスタジアムで体感できたことに再び、奮い立たされた気もした。
「ガンバで過ごす時間が長くなるにつれ、この歴史あるクラブの一員として戦っていることの幸せを当たり前だと思っちゃいけないという思いが強くなっています。スタンドから試合を見ていた時も、応援してもらうことへの幸せは感じていたけど、町田戦で久しぶりにピッチに立って感じた声援はそれとは違う心強さがあって、改めてもっと強くなりたい、ここで応援してもらいながら試合を戦いたいという思いが強くなりました」
そのプライドはきっとこの先も、江川をより高みへと導いてくれる。
―
高村美砂●文 text by Takamura Misa
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