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2023.11.6[チーム]

[ WE ARE GAMBA OSAKA ]DF3 半田 陸

今シーズンのWE ARE GAMBAOSAKAのテーマは『言葉』。
キャリアにおいて、サッカー人生を大きく動かした言葉や、
自分を突き動かすパワーワード、
今の自分につながる忘れられない体験に触れ、
独自のサッカー観を紐解く。

 自分のプレーがどのレベルにあるのか。それは将来を変えるほどの力があるのか。今ひとつピンときていなかった彼に「やれる」という自信を備え付けた、2つの経験がある。
 1つ目は、中学3年生の時に初めて選出されたU-15 2016Jリーグ選抜でのブラジル遠征だ。
「初めて代表とか選抜と言われる場所に呼ばれたんですけど、東北地方のクラブからは唯一の選出だったし、なんで選ばれたのかもわからず、僕で大丈夫かなと思いながら参加したんです。実際、最初は理仁(山本/シント=トロイデンVV)を含めて、周りの選手のレベルに驚かされた自分もいました。ただ現地でブラジルのクラブチームらと対戦してみたら、意外とやれたというか。攻撃時のビルドアップには課題を感じましたが、1対1の局面を含めて守備ではすごく自信を掴めた。性格的には人見知りで大人しい方だったんですけど、いざピッチに入るとスイッチが入ったというか。その時も、自分のプレーで勝負しようという気持ちがそのままプレーに出せた気がしました」
 特に、活動を通して同世代の意識の高さに触れたことは大きな刺激になったという。また、フィジカルや走力はもちろんのこと、1つ1つのプレーにおける同年代の『基準』を知れたことも向上心を掻き立てた。
 そして2つ目は今シーズン、ガンバ大阪に移籍してすぐの3月に選出された日本代表での経験だ。先に書いたJリーグ選抜に選出されて以降は、世代別代表に常に名を連ねながら、パリ五輪を目指すU-22日本代表でもキャプテンを務めるなど着実に成長を続けてきた半田だが、初選出には驚いたと振り返る。
「ガンバに移籍してすぐというか、J1リーグへの出場もまだ数試合という時期だったし、自分ではそこまでいいプレーができているという手応えもなかったので驚いた、というのが正直な気持ちでした。結果的に試合にこそ出場できなかったけど、いろんな選手の意識の高さに触れられたこと。日本代表の基準を知れたこと。海外でプレーしている選手も多い中でいろんな話を聞いて、自分に何が足りないか、サイドバックとしてどういう強さを備えなければいけないのか確認できたのは、のちのガンバでのプレーにもすごく活かされました」
 事実、彼が日本代表で受けた刺激は、ピッチでのプレーで表現され、半田は試合を重ねるごとにガンバでの存在感を膨らませていく。その後、7月の練習中に負傷し、約3ヶ月の離脱を余儀なくされるアクシデントはあったものの、戦列復帰を果たした今も日本代表で感じた『基準』は心に留めているそうだ。
「ディフェンダーとして、まずは自分の武器でもある局面での強さや守備範囲の広さを活かして、チームの失点を減らすために体を張り続ける。その上で、状況を判断しながら思い切って仕掛ける。その姿が直接、ガンバの勝ちに繋がったといえるくらいの存在感を示したいと思っています」
 守備で輝き、攻撃で魅せる。常により高い『基準』を意識しながら、自分らしく勝負する。その姿を追求し続けることで、半田陸は今の自分を超えていく。



Interview and text by Misa Takamura

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