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2024.9.9[チーム]
[ WE ARE GAMBA OSAKA ]MF9 山田 康太
プライド。直訳すれば、誇り、自尊心。
プロサッカー選手の誰もが胸に宿すものとはいえ、
選手ごとにその抱き方も、考え方も大きく違う。
今シーズンのWE ARE GAMBA OSAKAは、
選手の心の奥底で沸々と煮えたぎる、
それぞれの、プライドを解き明かす。
18年に横浜F・マリノスでプロキャリアをスタートし、19年以降は期限付き移籍を繰り返しながら成長を求めてきた山田康太が、今にも通ずる『プライド』を宿すようになったのは22年に完全移籍をしたモンテディオ山形時代だ。最終節までJ2リーグの痺れる戦いに身を置きながらJ1参入プレーオフへの出場権を掴み取り、昇格を目指した経験は、チームの一員として戦うことへの自覚をより強くさせた。
「マリノスでの1年目は何試合か先発で試合にも出してもらった中で、生え抜きとして戦える幸せや充実感を感じていました。ただ、そのあと期限付き移籍を繰り返していた時期は正直、自分のことで精一杯で…。『自分が活躍しなくちゃいけない』ということばかり頭にあった気がします。でも、22年に山形に完全移籍をして痺れる試合を中心選手として戦った経験を通して『チームのために』という思いが強くなったというか。チームあっての自分だと思うようになり、所属チームのスタイルやチームカラーのもとで自分の色を発揮することを第一に考えるようになりました」
ガンバでもそれは同じだ。過去の歴史へのリスペクトと、新たな歴史を作ることへの覚悟を胸に、チームスタイルの中で輝く自分を意識してピッチに立っている。
「子供の頃はサッカーゲームでガンバを選択するくらい、ガンバ=強いチームというイメージがありました。僕のチームには、ヤットさん(遠藤保仁コーチ)をはじめ、明神さん(智和/ガンバ大阪ユースコーチ)、ルーカスさん、藤ヶ谷さん(陽介/ガンバ大阪ジュニアユースGKコーチ)らがいたのを覚えています。ただ、ここ数年、タイトルから遠ざかるシーズンが続いているという現実を踏まえても今、ガンバにいる僕たちが『常勝軍団』いう意識でピッチに立つのは少し違うというか。このエンブレムを身につける責任として過去の歴史を知るのは大事なことだけど、今の僕たちがすべきは過去に縋ることではなく、新たな歴史を作るために真摯に今と向き合うこと。実際、今年のチームは僕を含めて新加入選手も多いですが、貴史くん(宇佐美)ら既存の選手たちとしっかり融合して、ここからまたガンバの新しい歴史を作っていこうという雰囲気がすごくある。僕もその一員として、自分に求められるタスクをしっかり理解して、ガンバの勝利のために戦い続けようと思います」
毎試合、スタンドから届く熱い声援に勇気をもらいながら。
「サポーターの皆さんの中にはガンバの過去の輝かしいタイトルの歴史を知っている人も多いはずですが、彼らもまた新しいファンをどんどん巻き込んで今のガンバを、僕たちを応援してくれている。その熱に僕らが応える方法は、毎試合必死になって勝ちを目指し、戦っている姿を見せ続けることだけ。そうやってお互いが胸に秘めている『ガンバのために』という思いをスタジアムの熱にして、一緒に勝ち進んでいきたいです」
その先にある歓喜の一つひとつが、ガンバの新たな歴史になると信じて。
―
高村美砂●文 text by Takamura Misa
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